おふぃすOK 公的年金・健康保険等社会保険完全案内

« 士業の業務範囲の問題を考える | メイン | 住基ネットと国民年金保険料 »

2004年10月 7日

郵便局が国民年金の保険料を集める?

 自分は郵便局に知り合いがいるわけでもないですが、現在の郵便局の職種で最も嫌われているのは、「簡易保険部門」だそうです。

 今は国営で、国をバックにしての営業ですが、営業という面で突き詰めれは、民間の保険セールスと同じです。目標(ノルマ)もあると聞きますし、腕利きの営業職員(これらの人は歩合があるから結構いいかも)以外は大変な仕事でしょう。
 郵便局の職員には、貯金部門や郵便配送部門のほうが人気があるのでしょうね。

 現在考えられている郵政の民営化にしても、分割された場合は、簡易保険部門は行き先として最も人気のない会社になるのでしょうか。ただ民営化がどういう風になるかさえ今のところは全く見えてきませんが。

 その新会社ですが、まだ何も決まらないうちからこういうことが出てきています。
 「政府・与党は、自営業者らが加入する国民年金の保険料徴収業務を、現在の社会保険庁から、2007年の郵政民営化で発足する郵便保険会社に委託することを検討」

 何だか変な話ですよね。
 民営化後には普通の民間会社に早くならないといけません。もしその保険料の収納業務が、美味しい仕事ならば、元はお役所だったとはいえ、特定の民間企業に競争入札じゃなくて随意契約で仕事を任せるということですから、差別ですよね。それで簡易保険がさらに肥大化したら他の保険会社からみたらとても公正な競争とは言えず、問題があります。

 逆に、美味しくない仕事を押し付けるのであるならば、規模はでかいものの、企業体としてはマダマダ無駄が多くあり、民営化しても上手く軌道に乗れるかどうかを危惧する声もある郵便新会社がダメになる可能性もあります。

 いずれにしても、なんでこんなにへんてこりんな案がでてきたのか。

 新聞によると、「全国約2万4700の郵便局網を活用し、未納問題の改善を目指す。 」 んだそうですが、今は、保険料の納付は、銀行に限らずコンビニでもどこでもできるわけで、そんなに不便だとは思えませんが(未納はもう意識の問題でしょう)。意図するところは、今の簡保の職員を使って未納者のお宅を回らせて、督促をさせよう ということでしょうか。

 これは、わしが郵便局(簡易保険担当)の職員だったら絶対いやです。そういう泥を被る仕事は、社会保険事務所が責任を持って行わないとダメ。

 NHKのトップ海老沢(最近は独裁者ゆえにエビジョンイルといわれているそうですが)が、NHKの不祥事に関し、国民の声を逆なでするような不遜な態度をとったために、受信料の不払いが急増しているそうです。受信料の契約を取って歩く人は、NHKの職員でもなくしかも歩合制だとか。ずいぶん、訪問先で罵声に近い声を上げられていると思いますが、それと全く状況は同じになります。お客さんからみたら、今問題になっている社会保険事務所の年金保険料の流用でも全部苦情は督促に来た人に文句を言いたくなるわけで、かなりきつい仕事だと思います。特に今まで公務員としてやってきた現場の郵政職員にはきついでしょう。

 一時期は「鬼の全逓」といわれたくらい恐れられた、郵便局の労働組合(穏健なのもありますが)などはこれを簡単に受け入れてしまうのでしょうか。

 公明党は、「社会保険庁のスリム化、効率化に資する」と積極的だそうですが、スリム化できますか? 効率化ですか?
 結局、収納率があがらなきゃ、社会保険事務所は、強制収納担当(強制的に保険料を徴収するのは、公務員でないとできませんから)するわけですから、真面目に州能率を上げようとすれば職員は今後、今以上に必要になると思いますが。
 さらには、郵便局委託が失敗して収納率が上がらない時は誰が責任を取るのでしょうか。

 わしは、どうもこの案には疑問を挟まざるを得ません。
 国民年金については、もう税金化以外に維持する方法はないと思っていますし。

 それと現在強制執行を前提としない保険料徴収業務は既に、民間が担当しており、催告や年金相談、戸別訪問には民間の「収納指導員」「年金相談員」4800人が従事しているのですが、この人たちの問題はどうなるんでしょうか?。この人たちと郵便局と2本立てで督促をするわけでしょうか?

 仕事というものは自分のところに責任があることは自分でやらないとダメです。しょせんは他人は他人。頼っちゃダメ。
 社労士会でも、社会保険(厚生年金、健康保険)未加入の事業所の巡回をして、「厚生年金に入ってください」の行政協力をしていますが、別にその会社が入ってないからといって自分たちが困ることは全くありません。だから、協力はザルになります。
 お客さんのところにいって、3分は年金の説明、残りは雑談でもちっとも困らないのです。それで「行ったというアリバイ」は残りますし。
 馬鹿馬鹿しいのでここ2年は協力もしていませんが。

 行政のスリム化といってもねえ。今回の動きは自分(社会保険庁)が嫌なことばかりを、スリム化という美名の下に、民間に押し付けているだけのようにみえてきます。他人の財布からお金を貰ってくるということ程くらいつらい仕事はないわけですから、これを他人に委託したら楽なことこの上ないですよ。

 

投稿者 okesan : 2004年10月 7日 15:02

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.come3ham2da.com/blog/mt-tb.cgi/480