許されるギリギリ
綺麗な写真を見せられて、「ああここに行って見たい」って思うことはよくありますね。世界の車窓からって短編(最近はテレビ見ないのでやってるのかどうか知りませんが)これには激しく心を揺り動かされて、実際旅にでたことがあります。
そういう綺麗な写真は、最高のレベルを持ったプロが最高の技術で、最高の自然条件で撮影したものである場合がほとんどですよね。
我々も、「まああんな綺麗な写真のような光景は普通見られないだろう」と割り引いて旅に出かけますが、それは最高の条件で撮られたという条件はあるが、撮られた写真は現実に存在するものであって、ウソの写真じゃないですよね。だから許されるギリギリ。
しかし、絶対踏み込んじゃまずい領域はありますよね。
写真を合成したり、加工したりして、自然に撮影したものでない写真はルール違反です。そこは許される限界を超えてしまってる。
生命保険で高額なものに入る場合、あるいは年齢が相当高齢で入る場合は医師の審査があります。
それで、やっぱり緊張しやすい人とかその場だけ血圧が上がったりする。
その場合に、横になったり、深呼吸をして水を飲んでしばらく休息したりして、何回も測りなおして、基準ギリギリになるまでじっくりと待ってから血圧を測るのはセーフ、でも計測データを捏造したり、クスリを一時的に飲んだりしたらそれはルール違反ですから、その後に「保険金を支払わないよ」といわれても文句言えません。
超えられない第一線は、みんな仕事をしていたら必ず意識するところです。意識しないとやってけない。
わしも普段の仕事で、常に限界を意識をする。
残業代は当たり前だけど、残業したら会社は支払わないといけない。しかしその当たり前がまともに機能していないのが世の中。
残業代を貰わないサービス残業なんてのは普通にあるわけです。それを社労士として会社とお付き合いして、「問題ありません」なんて絶対にいえない。「不払いがわかったら残業代を支払ってください、労使紛争になったらあきらめて支払ってください」という対応しかとることができない、法律違反を率先して促すなんてのはもってのほかですから。しかし社長に「法律違反ですから絶対支払ってください」なんて言ったら翌日から仕事が一切なくなるのが残念ながら現実。
で対応をどうするかといえば、「残業不払いの事実は一切関知しません」という設定を設けそこで行動することになる。つまり、会社の内情に深入りをせず、残業をしているかしていないかなどというようなことには一切関知しないという状況で依頼先の仕事を受けることとするのです。いわば、ドアの外に立って部屋の中(会社の内部)は覗かないでドアをあけられて渡された仕事をするという姿勢。
これだとトラブルがおきても、「いや自分はそんな部屋の中のことは知らない」ということで通すことができる。
残業をしてるかしてないかを知らなければ、サービス残業をしている会社に「残業代を支払ってください」なんて言う必要もなくなるのです。
苦肉の策ですけれど、残念ながらこれが現実です。
社労士は「違法行為を率先してやっている」という労働者の批判をうけることがあります。確かに、ちょっとお付き合いしていれば、その会社が残業代を出している出していないなんてことはすぐわかること(部屋の外だって声は漏れ聴こえてきますから)ですから、見てみぬ振りをしているという風に批判されても仕方がない。その辺はかなり悩ましいところであって、つらいところです。それでも、経営者に「違法行為を率先して指示することは絶対ない」ですよ。それをしたら、一生終わりになる可能性があるわけだから。
てことで、こういうギリギリの線というのは、各々の仕事でかならず登場するきわめて悩ましいところではあるのですけれども、最近そういう普通にみんなが悩むことを平気で突き抜けてしまったとんでもない奴らがいますね。
そう、発掘あるある大事典のスタッフ(正確には制作会社)です。
あらゆる仕事が職業倫理的に、常にやって良い限界はどこまでで、そこを踏み越えたら終わりというポイントを意識しているんじゃないかなと普通に思う(それがないと簡単に違法の世界に踏み込んでしまう)のですけれど、そういう悩みは残念ながら彼らにはなかったのか、あるいは視聴率という魔物に魂を奪われてしまったのか。

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