職人芸とパソコン
ウィンドウズビスタが発売。でも95発売時のような祭り状態ではなく、小祭りくらいの様子か。一般人はちょうどパソコンを買い換える時期の人ならともかくあまり関心はないし、プロはすでにβ版で試しているだろうし、今日秋葉原で行列を作ってたのは、熱狂的なパソコンマニアなのかな。
パソコンは慣れれば便利なツールなんですけれども、OSが変わったりすると機械苦手な素人は慣れるまでしばらく苦しみます(苦笑)。わしもその部類、次にPCを買うときは(1年くらいは予定ない)当然ビスタなんだろうけれど、今から不安だ。
コンピューターに弱い人は、必要以上にパソコンに不安を感じる人が多い。
わしの行く年金教室は特に、「中高年の方が多い」ので、そういう風に不安を実際に言われることも多いです。バリバリパソコンを使っている若手が自分たちの仕事を侵食してしまわないかというような不安もあるようなんです。
そんな時、手計算で計算できれば十分OKじゃないですか?といつもお返事する。
確かにパソコンだと入力したら瞬時に結果を出してくれるけれども、それだけに依存してしまうと絶対まずい。
というのは、手計算ができないと大切な「相場観」が醸成できないのです。
この前も年金の勉強会で、年金の説明をしていたとき、「この年金には加算がついていますか」という問いかけを講師の方がされた。
相場観がある人は瞬時に、その前提条件をみて結論を出せた。この加入年数この給与ならば、こんな年金額には普通なりえないとかいうことは実際の計算をしなくても目で見ただけである程度理解できる。しかし、相場観がない人は、残念ながらこういうことが全くわからない。つまり「とんでもない非常識的なことを言ったり、誤りを見つけられない」危険性を常にはらむんです。これは本当に怖いですね。
IT信者みたいなのもたくさんいます。年金なんて、パソコンが全部計算してくれるんだから問題ないなんて騒いでいるのもいた。しかし、自分でエクセル作成してみればわかると思うけれど、エクセルで作成した計算表が正しいか否かは、検算の時いろいろな条件設定をしてすべて電卓で計算してその結果が合うか否か照合しなければ話にならない。つまり手計算で確実に計算できないとエクセルは作れない。言語を使ったプログラミングでも同じことでしょう。
最近、社会保険事務所の年金相談でコンピューターで年金額を出力してもらった後、お客さんが、「なんでこんな年金額になるのか、教えて欲しい」 といわれるのに、「コンピューターだから間違いありませんよ」と必死に言い返すだけで計算をしない担当者が増えているらしい。どうも「計算ができないレベルのやつ」が担当者として席に座っているようなのです。
それを不満に思って金融機関の年金相談にこられる方もいる。目の前で電卓と鉛筆で式を書いて計算をして、きちんとコンピューターの出力額と合致するのを確認して満足して帰られる。
やっぱり、人間ってブラックボックスは嫌なんだよね。自分の老後の支えとなる年金額が、役所のコンピューターで、「あなたはいくら」って一方的に言われるだけじゃ、納得しないんだろう。役所を信じないわけじゃないけれど、知りたいと思うのが人情ってもの。
そういうブラックボックスが不安な人がいる限り、今後も手計算は残るし、職人的精度と速度で手計算ができるる人は、パソコンは得意だけど年金の知識が人並みって人間には絶対勝てる、というか比較にならないほど重宝されるはず。「長年培った知識と腕を信じてください」なんですね。
そう力説をしてあげたいのですけれども、パソコンが全くできない人は、やっぱり不安はぬぐえないみたい。それは、「目に見えない漠然とした不安なので」払拭のできない仕方ないことなのです。この辺も本当に難しいな。
